和紙でこだわりの名刺を!注文前に知っておきたい和紙名刺を選ぶメリットとデメリット

【和風名刺のつくりかた】第4弾のテーマは、和紙名刺・和風名刺を作るメリットとデメリットです。

今も昔も変わらず、ビジネスマンの必須アイテムである名刺。名刺は個人や企業の「顔」でもあり、名刺のデザインや材質は個人や企業のイメージを大きく左右します。日本古来の製法で作られている和紙を使った和紙名刺は、和紙の持つ独特の柔らかさや温かみから、名刺を受け取る人に深い印象を残します。

今回の記事では、和紙名刺に興味のある方のために、和紙名刺を選ぶメリットとデメリットを解説します。

スタッフK

この記事は、次のような方におすすめです。

・個性的な名刺を作成したいと思っている方
・和紙を使った名刺に興味がある方
・和紙名刺のメリットとデメリットを知りたい方


前回は、和紙和風の名刺におすすめの用紙についてお話ししました。用紙選びにお悩みの方は、こちらの記事をご参照ください。

1.そもそも、和紙とは?

和紙の歴史は古く、飛鳥時代にまで遡る

コピー用紙、書籍、ノートなど、私たちが普段の生活で使っている紙製品の多くは、欧米から伝わった『西洋紙』と呼ばれるものです。西洋紙が伝わる以前から、日本で古くから作られていた紙が『和紙』と呼ばれています。

和紙の歴史は古く、3~4世紀頃に渡来人によって書物としての紙が持ち込まれ、5~6世紀頃から日本で紙作りが始まったと言われています。和紙の原料には、日本特有の原料である楮(コウゾ)・三椏(ミツマタ)・雁皮(ガンピ)といった植物の皮が使われています。伝統的な製造法は職人による手漉きですが、明治初期に西洋から機械を用いた製紙技術を導入した後は、機械漉きの和紙が主流となっています。

和紙は北海道から沖縄まで、全国各地で作られています。美しさと丈夫さが特徴の越前和紙、日本最古の紙とされる美濃和紙、薄くて丈夫な土佐和紙の3つが有名で、日本三大和紙と呼ばれています。

和紙は古くは書物、絵巻物、水墨画などに使われていました。現在でも、障子、襖、提灯、扇子、紙幣など幅広い商品に使われています。

2.名刺に和紙を使うメリットとは?

一般的な名刺に使われている用紙はいわゆる西洋紙ですが、最近では和紙を使ったこだわりの名刺を選ぶ方や企業が増えてきています。

名刺に和紙を使うのには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

西洋紙にはない独特の風合いがある

普通の名刺に使われている西洋紙は、針葉樹や広葉樹の幹から採れるパルプを原料としており、短い繊維を敷き詰めて作られています。そのため、表面が滑らかで色も質感も均一です。一方、和紙は天然の木の皮から採れた長い繊維を絡めて作られているため、和紙の表面には少し凹凸があり、繊維も透けて見えます。

和紙で作られた名刺には、ざらっとした独特の手触りがあり、繊維が透けて見えたり色味にバリエーションがあったりと、一枚一枚に個性が感じられます。西洋紙にはない独特の風合いは、和紙名刺の大きな魅力です。

高級感がある

自然素材を原料とし職人の手により丁寧に作られている和紙は、うっすらと浮き上がる繊維の模様や自然な凹凸から、一目見ただけで高級感が感じられます。シンプルなデザインの名刺でも、和紙を使っているだけで品格が感じられ、プレミアムな仕上がりが期待できます。

自然素材で環境に優しい

和紙の原料である楮(コウゾ)・三椏(ミツマタ)・雁皮(ガンピ)といった植物は、生長のサイクルがとても早い落葉性低木です。伐った後からすぐに芽が出始め、数カ月~3年程でまた青々とした葉が生い茂ります。また、製造過程で化学薬品をほとんど使用しないため、環境への負担も少なくて済みます。そして、和紙で作られた商品は使い終わったら煮ることで繊維状になりやすく、再利用がしやすいという利点もあります。

スタッフK

耐久性があり、保存性がよい

和紙は、西洋紙に比べると耐久性が高く丈夫だと言われています。これは、和紙に使われている繊維が西洋紙の繊維より長くて丈夫だから。洋紙の寿命が100年程度であるのに比べ、和紙は1000年以上の保存にも耐えると言われています。

スタッフK

長く綺麗にお使いいただけるので、ショップカードやポイントカードにもおすすめです。

印刷との相性が良い

和紙に印刷と聞くと、「きれいに印刷できないのでは?」と、心配される方も多いかもしれません。しかし、和紙はインクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷など、さまざまな印刷方法との相性がいいのです。

和紙は吸湿性が高いため、インクが紙にしっかりと定着しやすく、文字やロゴがくっきり浮かび上がります。和紙の特性や色、デザインなどを考慮して、適切な印刷機や印刷方法を選べば、美しく仕上がります。

3.名刺に和紙を使うデメリット

風合いや手触りが良く環境にも優しい和紙ですが、当然、デメリットもいくつかあります。和紙名刺の注文を決める前に、デメリットも知っておきたいですよね?

ここからは、名刺に和紙を使うデメリットを考えてみましょう。

料金が高い

和紙は、原料の単価が高いこと、手漉きによって製造に時間がかかることなどから、西洋紙に比べると高価です。価格の相場としては、西洋紙の名刺用紙は名刺1枚あたり約2~4円程度なのに対し、和紙の名刺用紙は1枚あたり約50~70円します。

和紙和風名刺の専門店「博多広告社」では、プレミアムな越前和紙の名刺用紙に加え、和風名刺にぴったりの上質の名刺用紙を松竹梅と3段階の価格分けでご用意しています。

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納期が長くなりやすい

和紙を使った名刺は用紙選びから始まり、和紙の特性をいかしたデザイン選び、読みやすい文字のレイアウト決定まで、通常の名刺よりも決定事項が多めです。 通常の名刺の場合は、注文した当日に仕上げてくれる「スピード名刺」を売りにしている店もありますが、和紙名刺では決定事項が多くデザインを固めるまでにも時間がかかります。そのためデザイン決めから名刺が出来上がるまで、納期が長過ぎると感じる方も多いでしょう。

「博多広告社」では、注文までの時間を短縮できるように、和紙名刺に合うテンプレートを多数用意しています。縦書きや横書き、筆文字書体も含めた多数の書体やフォント、和を連想させる日本のモチーフや柄などを組み合わせられます。ウェブ上でテンプレートを一覧できるので、仕上がりのイメージもしやすくなっています。

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量産が難しい

和紙を使った名刺印刷は、通常の名刺に比べると印刷にも時間がかかります。和紙の種類によっては、印刷前に下処理が必要になるなど、印刷するまでにも手間や時間がかかります。また、印刷機によっては、注意して稼働しないと紙詰まりが起こってしまいやすいこともあり、名刺を印刷するのに時間がかかってしまいます。

ハイスピードで次から次へと印刷できる通常の名刺と比べると、和紙名刺は量産するのが難しいため、大量の名刺を必要とする場合には和紙名刺は向かないと言えるでしょう。

精密な印刷には向いていない

和紙は表面にわずかな凹凸があるため、インクが均一に乗りにくく、文字や画像がにじんでしまうことがあります。シンプルな絵柄や文字の場合は、多少のにじみも和紙名刺ならではの味わいと言えますが、複数のカラーを使った複雑な絵柄や写真など、高精細さが求められる印刷には向いていません。

名刺に顔写真やQRコードを入れたい場合、凝った絵柄や会社のロゴを名刺に入れたい場合は、和紙を選ばない方が良いでしょう。

注文できる会社が限られている

和紙を使った名刺印刷は、通常の名刺印刷よりも時間や手間がかかり、美しく仕上げるためには技術的なノウハウも必要なため、注文できる印刷会社が限定されます。郊外や地方では、近くに和紙名刺を取り扱っている印刷店がないという場合もあるでしょう。

スタッフK

和紙名刺のサイズは?:おまけ

お客様

和紙名刺も西洋紙を使った通常の名刺と同じサイズでお作りできます。一般的に名刺のサイズは大きく分けて以下の3種類があります。

一般的な名刺のサイズ

日本標準サイズ(4号サイズ)    55mm×91mm
欧米サイズ            89mm×51mm
小型サイズ(3号サイズ、女性名刺) 85mm×49mm

日本標準サイズというのが、いわゆる普通の名刺サイズ。和紙名刺で最も人気が高いのも日本標準サイズです。


欧米サイズは海外で多く使われているサイズで、日本標準サイズよりも一回り小さいサイズ。外資系企業や海外のクライアントが多い企業など、海外のビジネスマンと名刺を交換する機会が多い方におすすめです。


小型サイズは小ぶりでフェミニンな印象があるため、女性用名刺として人気があります。

スタッフK

注文前にメリット・デメリットを知っておこう:まとめ

和紙名刺のメリット・デメリットをご紹介しました。

和紙名刺のメリットは
・西洋紙にはない独特の風合いがある
・高級感がある
・自然素材で環境に優しい
・耐久性があり、保存性がよい
・印刷との相性が良い

和紙名刺のデメリットは
・料金が高い
・納期が長くなりやすい
・量産が難しい
・精密な印刷には向いていない
・注文できる会社が限られている

独特の風合いや高級感が魅力の和紙名刺ですが、ご予算や納期によっては難しいこともあります。和紙名刺を注文する前に、しっかりメリットとデメリットを比較してみてください。

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