「外国にも名刺ってあるの?」海外の名刺事情や名刺交換のマナーについて解説

【和風名刺のつくりかた】第23弾のテーマは、士業の名刺です。

「名刺は日本特有の文化」
という印象を抱いている方は、多いのではないでしょうか。

確かに、「ビジネスの場で初対面の人たちが向かい合い、お辞儀をしながら、両手で名刺を交換する…」という名刺交換の風景は、日本特有のものかもしれません。

しかし、海外でも日本の名刺に相当するビジネスカードが存在し、さまざまなビジネスの場で日常的に使われています。

近年は経済のグローバル化やインバウンド需要の高まりから、外国の企業を相手にビジネスをする機会も増えてきています。新たなビジネスチャンスを掴むためにも、外国の名刺に対する考え方や名刺交換の作法を知っておくことは重要なのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では海外の名刺事情について詳しく解説していきます!

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  • 外国の会社との取引がある方

前回の記事では、クリエイティブ職の名刺の作り方について解説しました。今回の記事では、海外の名刺事情について詳しく解説します。

海外の名刺文化

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海外にも名刺はある

「名刺文化は日本特有のもの」というイメージから、「海外には名刺がない」と勘違いされることも多いのですが、実は多くの国で名刺が使われています。しかし、日本のような名刺の取り扱いや名刺交換の仕方について厳格なルールがある国は少なく、自己紹介の補助的ツールとして、あるいは純粋に連絡先の交換手段として使われている国が多いです。

海外では名刺は何と呼ばれているの?

名刺は海外で何と呼ばれているのでしょうか?主要な外国語の名刺を表す言葉と、その読み方を紹介します。

外国語で『名刺』にあたる言葉

英語「business card(ビジネスカード)」
スペイン語「tarjeta de visita(タルヒェタ・デ・ヴィズィタ」
フランス語「carte de visite(カルト・ドュ・ヴィズィーテ)」
ドイツ語「visitenkarte(ヴィジテンカルテ)」
イタリア語「biglietto da visita(ビリエット・ダ・ヴィジタ)」
中国語「名片(ミィン ピィェン)」
韓国語「명함(ミョンハム)」

スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語の名刺にあたる言葉は、日本語では「訪問者カード」という意味です。これはもともと、ビジネス相手を訪問した時に不在だった場合、訪問したことを伝えるための伝言メモとして、名前と連絡先を書いたカードを残していたことの名残と言われています。

海外で使われている名刺のサイズ

日本で使われている名刺のサイズは、日本標準サイズと呼ばれているものが一般的ですが、海外では国や地域によってサイズが多少異なります。

サイズの比較は以下の通りです。

海外の名刺サイズ

国・地域名刺のサイズ
日本標準サイズ(日本・韓国)55mm×91mm
北米(アメリカ・カナダなど)89mm×51mm
西欧(ドイツ、フランス、イギリスなど)85×55mm
北欧(ノルウェイ、スウェーデン、デンマークなど)90×55mm
東欧(ポーランド、チェコ、ロシアなど)90×50mm
中国・香港・マレーシア・シンガポール90mm×54mm
台湾・ベトナム・インド90×55mm

海外の名刺事情は国・地域によって異なる

海外と一口に言っても、国や地域によって名刺の普及度や使われ方には大きな違いがあります。韓国や中国などの東アジアの国では、日本と同様にビジネス上の初対面の挨拶として名刺交換が行われることが多いですが、欧米では日本に比べるとカジュアルに名刺が交換されています。また、管理職や重役などある一定以上の地位のある人だけが名刺を使っている国もあります。

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地域・国別の名刺事情

名刺の扱い方は、国や地域によって大きく異なります。ここからは、地域や国別の名刺文化について解説します。

北米の名刺事情

カナダやアメリカのビジネスシーンでは、多くのビジネスマンが名刺を日常的に使用しています。ただし、日本よりも連絡先を交換するための実用的なツールとして取り扱われることが多く、名刺交換の作法も日本と比べるとカジュアルな印象です。

日本と違う点は以下の通りです。

・初対面の挨拶は名刺交換よりも握手が重視される
・名刺交換のタイミングは決まっておらず、名刺交換が行われないこともある
・連絡先の交換が必要と判断された時や、商談後に名刺交換をする
・名刺を持ってきていない人がいてもマナー違反とは受け取られない
・名刺の取り扱いはカジュアルで、もらった名刺にメモを書き込をすることもある

ヨーロッパの名刺事情

ヨーロッパでもビジネスシーンで名刺が使われていますが、名刺交換の頻度は日本や北米よりも少なく、主に管理職や経営層など役職の高い人のみが交換する傾向があります。また、ビジネスシーンで使用されるよりも、経営者などの重要な人物が集まるパーティーなど、交流の場で使われることが多いとも言われています。

ヨーロッパの名刺事情で、日本と違う点は以下の通りです。

・頻繁に名刺交換をする習慣はない
・ドイツやロシアでは、国内では名刺はほとんど使われていない
・イギリスでは、ビジネスの場ではなく経営者や重役などが集まるパーティーでの自己紹介ツールとして使われる
・名刺を持っているのは管理職や経営者など地位の高い人に限定され、一般社員は名刺を持っていないことが多い

東アジアの名刺事情

中国、韓国、台湾などの東アジアの国々の名刺文化は、日本の名刺文化にとても近いものがあります。ビジネスシーンでは日本と同じように丁寧に名刺交換が行われることが多く、相手の名刺を丁寧に扱うのが礼儀とされています。しかし、名刺の取り扱いは日本ほどは形式ばっておらず、名刺をもらってすぐにしまってもマナー違反にはなりません。

東アジアの名刺事情で、日本と違う点は以下の通りです。

・中国では名刺を交換したらじっくり名前を確認し、相手の名前を覚えることがマナーとされている
・紙の名刺交換と同時に、デジタル名刺をデバイス上で交換することもある
・名刺には役職が明確に記載されており、相手の肩書きを尊重する
・名刺には英語名やローマ字が併記されていることが多い

東南アジア・南アジアの名刺事情

東南アジアや南アジアの国々では、ビジネスの場で名刺交換が頻繁に行われており、相手の名刺を丁寧に扱うという意味では日本との共通点が多い傾向にあります。ただし、国によって名刺交換の作法や名刺に記載されている内容などはかなり違います。

東南アジアや南アジアの名刺事情で、日本と違う点は以下の通りです。

・インドでは右手だけを使って名刺交換を行う
・インドの名刺には学歴とヒンディー語の表記が入っている
・フィリピンでは相手の役職が同等以上の場合、名刺をもらえないこともある
・タイの名刺交換では、片手で差し出しもう一方の手を手首に添えるか、日本と同じように両手で渡す
・ベトナムでは名刺に出身地(省)を記載する人が多い

オセアニアの名刺事情

オーストラリア、ニュージーランドなどのオセアニアの国々の名刺文化は、基本的にはヨーロッパや北アメリカの名刺文化によく似ています。初対面の挨拶としていきなり名刺交換をするのではなく、連絡を取り合う必要があると判断された場合や、商談が終了した後の別れ際に渡されることが多いです。

オセアニアの名刺事情で、日本と違う点は以下の通りです。

・初対面の挨拶では名刺交換よりも握手が重視される
・名刺交換は連絡先の伝達を主な目的として行われる
・連絡先の交換が必要と判断された時や商談後に名刺を交換する
・名刺の取り扱い方は日本に比べるとカジュアルな傾向にある

中東の名刺事情

サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東の国々の名刺文化には、イスラム教の影響がみられます。名刺交換は右手だけですることが多いのですが、これはイスラム教では左手が不浄の手とされていることに由来します。

中東の名刺事情で、日本と違う点は以下の通りです。

・初対面の際の握手や名刺交換は右手だけで行う
・相手が女性の場合は握手をせずに、右手で名刺を差し出す
・名刺交換のタイミングは会議が始まる前や終わった後にする

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海外の名刺事情のまとめ

海外のビジネスシーンでも名刺は使われていますが、名刺の使われ方や名刺交換の作法などは日本とはかなり違います。また、外国と一口に言っても国や地域によって名刺文化は異なるので、相手の国や地域の名刺文化を知っておくことが大切です。

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