自宅で印刷できる?インクジェットで作る和紙名刺

こんにちは、和風名刺専門店のスタッフです。

今回のテーマは、「インクジェットプリンター」について。自宅や会社のインクジェットプリンターで名刺を作れるのか、和紙名刺は対応できるのか、どれくらいの手間と時間がかかるのか……などのお悩みに答えていきます。

スタッフK

実際にインクジェットプリンターで名刺を作る実験も行いました。
気になる手順や予算についてもお話ししますので、気になる方は実験結果もご確認ください。

そもそもインクジェットって?

インクジェットってなんでしょうか? 何となく名前は聞いたことはあっても、詳しい内容はわからない方もいらっしゃると思います。

インクジェットプリントとは、印刷方法の一種で、粒状のインクを印刷したいメディアに直接吹き付ける手法です。版を作る必要がない「オンデマンド印刷」の一種で、家庭用のコピー機に多いタイプです。

印刷会社では、インクジェット等の「オンデマンド印刷」「オフセット印刷」を使い分けて印刷物を作っています。まずはこの二種類について簡単にお話ししたいと思います。

オンデマンド印刷とは

オンデマンドは「必要なときに、必要な分だけ」といった意味の言葉です。インクジェットプリントも、この「オンデマンド印刷」にあたります。

PCで原稿を制作し、デジタルデータで入稿すれば「必要な時に、必要な分だけ」を印刷することができるのがオンデマンド印刷です。

自宅や会社のPCからコピー機にデータを飛ばして印刷する方法も「オンデマンド」と言えるでしょう。

簡単に言えば、「版を使わない印刷方法」です。

オンデマンド印刷

  • オンデマンド印刷=「必要なときに、必要な分だけ」印刷ができる
  • 版を使わない、デジタルデータをそのまま紙に印刷する方法
  • 短納期で、1枚からの印刷でも対応可能
  • 破棄する必要がなく、環境にやさしい

オフセット印刷とは

一方で、オフセット印刷は「版を使った印刷方法」です。

①印刷する前工程で「刷版」を製作して
②刷版についたインクを樹脂製の転写ローラーにひとまず移し(オフ)
③ローラーを介して印刷用紙に転写(セット)

することで印刷する仕組みです。今回は詳しい内容は割愛しますが、簡単な特徴は以下の通りです。

オフセット印刷

  • オフセット印刷=版と用紙が直接触れない印刷方式からの呼称
  • データからまず版を作る必要がある
  • 大量の部数を、安定した品質で印刷可能
  • 部数が増えるほど単価が安くなる

一般的に、部数が多い場合はオフセット印刷の方が安価に安定した仕上がりで作ることができます。

大量に印刷を行うチラシやパンフレットにはオフセット、少数部数で作りたい名刺にはオンデマンド、といったふうに、使い分けるといいでしょう。

当店では、和名刺の印刷は、原則オンデマンド印刷でご用意しております。

オンデマンドの主な印刷方法

オンデマンド印刷でメインで使用されているプリンターはレーザーで印刷するタイプです。

身近な場所では、コンビニに置いてある機械がこちらのレーザーのタイプです。セブンイレブンには「DocuCentre-VC4475」、ローソン・ファミリーマートは「MX-3610DS」が主に設置されています。

レーザープリントは、「トナー」と呼ばれる粉末状の色材を熱で溶かし、レーザーによる静電気で紙に定着させる印刷方式です。

一方でインクジェットとは、印刷用紙にインクを吹き付けて文字や色を表現する仕組みです。細かい粒子のインクで印刷を行うため、繊細な表現ができます。

一概にどちらが良いというものではありませんが、それぞれ仕上がりに特徴があります。

プリンターメリットデメリット
レーザー・印刷スピードが速い
・トナーの交換回数が少ない
・1枚あたりの印刷コストが安い
・滲みにくい
・解像度が低い
・本体サイズが大きい
・消費電力が多い
・メンテナンスのコストが高い
インクジェット・高解像度
・本体サイズが小さい
・消費電力が少ない
・印刷スピードが遅い
・インク交換・給紙の回数が多い
・滲みやすい
・長期の保存をする場合、色あせが起こることがある

自宅でのメンテナンスを考えると、インクジェットを選ばれている方が多いようです。

インクジェットで和紙名刺を作るには?

【実験①】印刷してみる

インクジェットプリンターのメリット・デメリットがわかったところで、次は実際に和紙名刺を作ってみたいと思います。まず、準備するものはこちら。

準備するもの

  • プリンター
  • 和紙(インクジェット用のもの)
  • 名刺デザインデータ
  • 印刷用データ
  • 断裁するためのグッズ(必要な場合)

インクジェットプリンターは、レーザーに比べると安く購入することができます。相場は1万円前後のものから、スキャン機能などがついている「複合機」タイプだと2、3万円を超えるものも。

この記事を読んでいる方の中には、ご自宅にプリンターがある方が多いと思います。まずご自宅のプリンターの種類を確認して、印刷方法や対応サイズをチェックしてみましょう。

また、両面印刷が一度にできるかどうかもチェックしておくといいでしょう。

プリンターからそろえる方は、スキャン機能やWiFiとの接続機能が付いた高スペックのものを選ぶと名刺印刷以外にも用途があり便利だと思います。(おすすめはこちら

印刷用紙は、必ずインクジェット対応のものを選びましょう。

①断裁されている名刺サイズの和紙に直接印刷する
②A4サイズの紙にデータを複数並べて印刷し、後から断裁する

の2つの方法があります。

インクジェット対応和紙は、断裁されているものが少ないため、②のパターンが多くなるようです。
この場合、名刺の印刷だけでなく断裁も自分で行うことになります。カッターで綺麗に切るにも、ガイドになる線を印刷するのもコツが必要なので、時間や予算に余裕をもって臨むと良いでしょう。

こちらは、印刷を専門店に頼む場合でも自作することがあるかもしれませんね。

当店でも、データのないお客様向けのテンプレートプランと、データがある・自分で作りたいお客様向けのデータ入稿プランをご用意してます。

データ入稿の利点はなんと言っても自由度の高さと安さ。ただ名刺のデザインは意外と難しく、必要な情報を全て収めようと思うと至難の業です。

Canvaなどの無料サイトを利用してもいいかもしれません。和風の名刺デザインの作り方については、こちらの記事もご覧ください。

豆知識
和風名刺のつくりかた02
和紙名刺に合う印刷デザインの作り方5選

デザインができたら、そのデザインで印刷するための印刷用データを作成します。一般的に印刷用PDFデータに変換することが多いです。

購入した用紙サイズに合わせてデータサイズを変更したり、1枚の紙に複数データをコピーして張り付けたデータを作ります。

詳しいデータの作り方については、入稿データの作り方とほとんど同じですので、データ入稿ガイドもご確認ください。

気になる仕上がりは?

気になる仕上がりについてはこちらです。
プリンターはスタッフ私物の「Canon G3060」複合機、用紙は手漉き和紙の名刺サイズのものを使用しました。

スタッフK

印字も、レーザーに比べると薄めはっきりしない印象。特殊設定項目からの調節も可能です。

このような項目から印刷箇所の調節や、インクの濃さ等を調整できます。
印刷知識も必要で用紙代も嵩むので、お手軽に安く作りたい方には向いていないかもしれません。

【実験②】試算をしてみる

次に、かかった費用について計算してみました。

プリンター・印刷費:私物(購入する場合は8,000~30,000円程度)
用紙代:30枚で1,000円前後~ 100枚だと3,000円ほど
デザイン費:自作で1時間程度

このほか、カッターやカッターマット、断裁機などを必要とする場合もあると思います。

スタッフK

結論:インクジェットで和紙名刺は作れる?

インクジェットで和紙名刺を作る方法についてお話してきました。結論から言えば、インクジェットプリンターで和紙名刺を自作することはできます。

しかし、手間や経費等を考えると、意外と「お手軽」ではないのが現状です。

当店では、3,500円から印刷プランをご用意しております。失敗せず、紙にこだわって印刷ができるので、ぜひ専門店のご利用もご検討ください。

レザープリンターは写真の印刷には弱い、と言われがちですが、名刺サイズであればそこまで気にならない仕上がりになります。

和名刺専門店の強み

和名刺専門店では、さまざまな特徴のテクスチャーの紙を取り揃えております。それぞれの用紙に合わせた適切な設定をしており、特に当店は人の手と目で一枚一枚チェックを通しております。

用紙のご相談、アフターフォローはもちろん、封筒やショップカードなど名刺以外の販促物のご相談も承ります。

お電話でのお問い合わせが可能な印刷サービスは年々減っているのが現状ですが、当店は平日・土曜日は電話でのお問い合わせも可能です。

名刺の品質にこだわりたい方はもちろんですが、どうしていいのかわからない、手厚いサポートが欲しい方におすすめできるのが和名刺専門店のプランとなっております。

和紙名刺を作りたい方は、和名刺専門店のご利用もぜひご検討ください。

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