和紙名刺に合う印刷デザインの作り方5選

和風名刺のつくりかた02

【和風名刺のつくりかた】第2弾は、和紙名刺・和風名刺のデザインについてお話します。

スタッフK

この記事は、次のような方におすすめです。

・和風、和紙名刺を格安で作りたい方
・和風、和紙名刺を自分でデザインしたい方
・今ある名刺のデザインを和風にアレンジしたい方

近頃はCanvaなど、オンラインで使用できる無料のデザインツールも充実し、誰でも簡単に名刺デザインを作れるようになりました。

ですが、名刺のデザインはいわば企業や店舗の「顔」。せっかくの和紙名刺が、デザインで失敗してしまうのは避けたいですよね。

そこで、今回は、和紙名刺のデザインが失敗しにくくなるコツをご紹介したいと思います。


前回は、用紙代をなるべく抑えるための紙選びのポイントをお話ししました。和紙名刺を作りたい方、用紙選びにお悩みの方は、こちらの記事をご参照ください。

意外と奥が深い?和紙名刺デザインで注意すべきこと

一般的に、名刺のデザインデータの作成には次のような方法があります。

スクロールできます
データの作り方デザイン費の予算メリットデメリット
完全オーダー片面5,000~30,000円自由度が高い
完全オリジナルのデザイン
費用が高い
イメージの共有が難しい
テンプレートプラン片面2,500円~ある程度費用が安くなる
選択肢が豊富
注文が簡単
自由度はオーダーより低い
好みのデザインがない
データ入稿プラン無料費用が安い
自由度が高い
完全オリジナルのデザイン
最短翌営業日発送
初心者には難易度が高い
※デザイン、印刷の知識に加えて和紙の知識が必要

名刺サイズのデザインを1からオーダーするときの価格は、依頼するデザイナーの経験やデザインの種類・難易度にもよりますが、片面5,000〜30,000円程度と言われています。

小さなサイズのわりに高額に感じられるかもしれませんが、名刺に必要な情報を漏れなく入れながらデザイン性を保つのは、高い技術と経験が要求されるのでこのような価格設定になっています。

一般的に名刺に記載する項目

◎所属先の名称、肩書き、氏名、住所、電話番号、メールアドレス
○WEBサイトのURL、SNSのID、QRコード etc.

こうして並べてみると、小さな長方形の中にたくさんの情報が詰まっていることがわかりますよね。

実は難しい名刺そのもののデザイン。それに加えて、用紙の雰囲気を壊さない「和」のデザインの表現方法、手漉き和紙などの特殊な紙への印刷適性など、和紙名刺のデザインでは考えることがたくさんあります。

和紙名刺デザインで注意すべきこと

  • 名刺として読みやすいか(可読性・視認性)
  • 和紙、和風用紙に似合う雰囲気か
  • 和紙、和風用紙などのテクスチャー感が強い(印刷適性が低い)紙への印刷に耐えられるか

和名刺専門店でデザイン・印刷を担当するスタッフがおすすめする、初めての方でも失敗しにくいポイントを実例とともに5つご紹介します。

デザインの制作だけでなく、テンプレートの選び方の参考にもなると幸いです。おすすめデザインにお客様の情報を当てはめて簡単に注文ができますので、よかったらご検討ください。

ポイント①縦書きのレイアウトにする

まず、和風名刺のデザインでおすすめなのは、「縦書きレイアウト」にすることです。

文字を縦書きに配置することで、和の雰囲気を表現することができます。

もちろん、和風であっても横書きを利用している例も少なくありません。しかし、もともと日本語は漢文に倣って文字を上から下へ書いてきたため、縦書きのレイアウトに和風の印象を抱く人は多いです。

ポイント

漢字や、漢字を元にしてつくられたかな文字は縦書きを前提とした文字なので、縦書きのレイアウトに適しています

※アルファベットやアラビア数字の配置には工夫が必要です。

また、名刺は一般的に91㎜×55㎜のサイズが流通していますが、どちらかといえば横に長い向きの名刺のほうが多く利用されています。

縦書きの場合は配置する文字列も縦に長くなるため、名刺自体を縦型の名刺にするとデザインもしやすく、余白も美しくなります。

横型にこだわりがある方は、無理に縦書きにするよりも、他のポイントに絞ってみてもいいかもしれませんね。

おすすめデザイン

スタッフK

英数字ってどうしてる?

漢字やひらがなで構成される「肩書」や「氏名」は縦書き、英数字が頻出する会社情報の各項目は横書き、といったデザインもよく見かけます。
縦横が混ざったデザインはごちゃっとまとまりのない印象も受けますが、デザインで区切ったり、裏表で分けるなどの方法で切り替えるのもポイントです。

ポイント②和の書体を使う

和文字の配置と関連して、「文字の種類」つまり書体やフォントにこだわることもおすすめです。

名刺デザインを和風にしたいときは、文字の種類をゴシック体よりも、明朝体、楷書体や行書体などの筆文字書体を選んでみましょう。

ポイント

とめ・はね・はらいがはっきりとした書体を選びましょう。

単純な読みやすさでいえば、筆文字体<明朝体<ゴシック体です。文字サイズに合わせて読みやすい書体にすることが大切です。

たとえば筆書き風のフォントで屋号や名前を大胆に配置すると、それだけでぐっと雰囲気のある名刺デザインになります。

ただ、筆文字は有料の書体が多く、デザイナーでない方にとっては高額な出費になることもあります。

テンプレートプランの場合、和名刺専門店でご用意している有料筆文字フォントからもお選びいただけます。

おすすめデザイン

スタッフK

フォントサイズを小さくしすぎないためのコツ

個人的には、デザインデータを作るときは、表示を原寸サイズに切り替えながら作業するようにしています。簡易的に原寸コピー&カットするのも完成形のイメージがしやすくなるのでおすすめです。

ポイント③和のモチーフを使う

日本の伝統的なモチーフを使用することも効果的です。

たとえば、松・竹・梅や、富士、鶴などのアイコンであったり、水引や織物などの工芸品をモチーフにしたデザインは、一目見て「和」をイメージしていることがわかりやすいです。

また、日本には古来から願いを込めて使用されてきた伝統的な文様もあります。

和を連想させる日本のモチーフ、模様

日の丸、松、竹、梅、富士、鶴、水引、織物、折り鶴、矢絣、青海波、鹿の子模様 など

これらのデザインはワンポイントとして配置するだけでも、引き締まったデザインになります。

一方で、大きくカラフルなものを選ぶと華やかな印象になります。インクのベタ部分が増えるため和紙印刷には適しませんが、モダンな雰囲気がお好きな方には大胆な配置もおすすめです。

おすすめデザイン

スタッフK

意味のあるデザイン」のすすめ

日本の伝統文様には、1つ1つ意味が込められています。たとえば「青海波」は、終わりなく続く波模様として、「未来永劫の幸せ」や「平穏」への願いが込められています。

会社の事業内容や今後の展望等の意味も込めてデザインを選ぶと、より思いの込められた特別な名刺になるはずです。

ポイント④色数を抑える

和風デザインに欠かせないポイントには「配色」も挙げられます。

「日本の伝統色を使用する」というと難しく聞こえるかもしれませんが、墨一色の印刷や、深みのある色を選ぶと落ち着いた雰囲気になります。

※配色辞典やサイトはとても良い参考になりますが、実際に印刷した色は紙質や温度・湿度によって変わります必ずしもカラーガイドの色通りということではありませんのでご注意ください。

おすすめデザイン

墨一色をおすすめする理由は、デザインとしてのまとまりだけが理由ではありません。

和紙やテクスチャー感のある和風の紙の中には、色鮮やかなカラー印刷に不向きの紙が多いです。せっかく高価な紙を使用するので、完成品とイメージのギャップが少なくなるよう、仕上がりに差が出にくい墨一色の印刷をおすすめしています。

スタッフK

和紙×カラー印刷の本音

手漉き和紙を使いたい方は、基本的には墨一色のデザインを強く推奨します。また、「耳」があるため縁ギリギリまでの印刷も難しく、自作するにも制約が多いのが正直なところです。

カラー印刷と両立させたい方は、和紙風の紙を選びましょう。
中でも、なるべく表面が平滑で、印刷適性の高い用紙がいいです。和名刺専門店のラインナップの中では、アラベールなどがおすすめです。

ポイント⑤シンプルなデザインを心がける

ポイント④と少し内容が被りますが、和紙名刺にはなるべくシンプルなデザインを推奨しています。

紙には、紙本来の素敵な風合いがあります。和名刺専門店には、表面がつるりとしたいわゆる「ふつうの名刺用紙」とは一目で違いがわかるような用紙を取り揃えています。

この紙の質感を活かすためにも、なるべく、インクのベタ面が少ないデザインにすることをおすすめしております。

せっかくの文字やパーツを大きく配置したい気持ちもあるかもしれませんが、「余白の美」も和の雰囲気を演出するための大事な要素です。落ち着いた印象を持たせるためにも、小さな枠の中に情報を詰め込みすぎず、引き算のデザインを心がけましょう。

和紙名刺に合うデザインのコツまとめ

和名刺専門店でデザイン・印刷を担当するスタッフがおすすめする、初めての方でも失敗しにくいポイントを5つご紹介しました。

和紙名刺に合うデザインのポイント

  • 縦書きのレイアウトにする
  • 和風の書体を使う
  • 和のモチーフを取り入れてみる
  • 墨一色にするなど、色数を抑える
  • シンプルで余白のあるデザインを心がける


デザインを自作することで、ご自身のこだわりを追求できたり、名刺の作成費を安くしたりすることができます。

デザインの制作だけでなく、テンプレートの選び方の参考にもなると幸いです。テンプレートプランでは、デザイナーがご用意したおすすめデザインにお客様の情報を当てはめて簡単に注文ができますので、よかったらご検討ください。

スタッフK

デザインのことや用紙の選び方など、なんでもお気軽にご相談ください!
お急ぎの方はお電話がおすすめですが、お問い合わせフォーム、公式LINEなどからいつでもお問い合わせいただけます。

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