格安で和紙の名刺を作るためにまず考えること
こんにちは。和名刺専門店のスタッフです。
【和風名刺のつくりかた】コラムの第1弾は、お悩みの方も多いご予算についてお話します。
この記事は、次のような方におすすめです。
・和紙名刺を作りたいけど予算が心配な方
・見積もりを取ってみたけど、もう少し価格を抑えたい方
・とりあずお試しで作ってみたい方
和紙の名刺は紙本来の独特の雰囲気があって素敵ですよね。
和名刺専門店では、手漉きの耳付き和紙のほかに、和風の紙からも印刷用紙を選ぶことができます。
ざらざらとしたあたたかみのある紙や、藁などが漉き込まれた雰囲気の紙、雲竜模様のある紙など、和風名刺にぴったりの紙をスタッフが厳選しました。
紙の種類 | 用紙代・印刷費の予算 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
手漉き和紙 | 100枚 11,000円~ 50枚 7,700円~ | 「和紙」のブランド 高級感・ぬくもりがある 日本の伝統文化を伝えることができる | 費用が高い 現代の印刷に適した紙ではない |
和風の用紙 | 100枚 3,300円~ ※アラベールの場合 | 費用が安い 現代の印刷に適した紙 | 和紙に比べると、高級感や風合いは落ちる |
このように、和紙は、あたたかい雰囲気や柔らかな手触りが特徴です。
印刷物は高級感のある仕上がりになりますし、日本の伝統文化を伝えることができます。
一方で手漉きの和紙を使った名刺は、和紙という高価な材料に、丁寧な印刷工程が必要とされるので、どうしても高価な商品になってしまいます。
もちろん品質は素晴らしく、一度手にすると忘れられない名刺やショップカードになるのは間違いないです。
また、高単価な商品やサービスを展開している方にとっては、それもブランディングの一つとなります。
とはいえ、交換の機会が多い方や作成費用を抑えたい方にはハードルが高いのも事実です。
そこで今回は、和紙名刺を作りたい方向けに、和風の雰囲気を保ったまま、できるだけ安く和紙名刺を作る方法をご紹介します。
目次
和紙名刺を低予算で作るために考えること
名刺作成の費用は、「デザイン費」+「印刷費」+「用紙代」で成り立っています。価格を抑えるためには、このうちのどれをどれくらい安くできるかが重要です。
和紙名刺でもこの構成は同じですが、最もお悩みの方が多いのは和紙の値段、つまり「用紙代」だと思います。
今回は、当店で選べる「和紙」と「和紙風の用紙」の種類・値段の違いから、予算に合わせた紙選びのポイントまで詳しくまとめています。ぜひ次の手順で仕様を選んでみてください。
和風名刺を低予算で作るためのポイント
- どういった目的で和紙名刺を作りたいのかを明確にする
- 「和紙」を「和風用紙」に変えられるのか検討する
- イメージに合った用紙を選ぶ
デザインについては、次の投稿で詳細をお話ししますが、データを1からデザイナーに注文すると名刺サイズでも高額になります。名刺に必要な情報を漏れなく入れながらデザイン性を保つのは、高い技術と経験が要求されるからです。
そこで、当店には和風のテンプレートデザインを多数ご用意しています。片面料金2,750円で、プロが作成した和風デザインを使用することができるので、まだ用意できていない方はぜひご利用を検討してみてください。
①名刺に「和紙」を使いたい理由は?
あなたが名刺に和紙を使って、和テイストの名刺にしたい理由はなんですか?
まずは和風名刺を作る目的について考えると、名刺づくりの方針が立てやすくなります。
たとえば当店での注文ケースとしては、和風の店舗様のショップカードや、日本の伝統的な技術を使用する企業の方などが多いです。
外国の企業やお客様とやり取りが多い、国産の商材を取り扱っている企業の方にも、日本の伝統を重んじた和風の名刺をおすすめしております。
では、どうしたら「和風」の名刺が作れるのでしょうか。
一口に和風と言っても、「和」の表現方法は様々です。 たとえば、デザインに和のモチーフをあしらったり、日本伝統の色を使ってみたり。パキッとした色がこっくりとした深い色になるだけで、雰囲気ががらりと変わります。
書体も重要です。たとえば筆文字を使用すると、文字だけの名刺でも和の雰囲気が出ておすすめです。 和風のデザインの名刺は当店のテンプレートプランからもご注文いただけます。
また、和紙や和風の紙を使うことも欠かせません。
コピー用紙や郵便ハガキのような表面がつるりとした白い紙(上質紙など)や、写真紙のような艶のある光沢紙(コート紙)を使うよりも、凹凸や模様入りの質感の強い紙の方が和風の雰囲気に適しています。
また、真っ白な紙の色ではなく、少し黄みがかった用紙も人気です。 これらのあたたかく、やわらかい質感の紙は、「和」のイメージを連想させ、デザインをより引き立てることができます。
名刺を和風にする方法
- 和のモチーフをデザインに取り入れる
- 日本の伝統色を使う
- 筆文字など和風の書体を使う
- 和紙や和風の紙を使う
- 黄みがかった色の紙を使う etc.
このように、和風の名刺を作る際のアプローチは和紙を使用することだけではありません。選択肢が増えると予算にも幅が出来ます。
「和紙を使う」ことが目的なのか、「和風の名刺を作る」ことが目的なのか。
まずは、ご自身がどういった目的で、どんな名刺が作りたいのか考えてみることをおすすめします。そうすることで、予算をしっかり使う部分と抑えたい部分を見極めることができます。
②本当に「和紙」を使う必要があるのか?
大まかな方向性が定まった後は、名刺用紙に「和紙」を使うかどうかについて考えてみましょう。
和紙はそのものの手触りも印刷物としての仕上がりも素敵な紙ですが、名刺用紙としてはデメリットもあります。しっかりと紙の特性を理解して、失敗のない名刺づくりを目指しましょう。
和紙を使うメリット・デメリット
そもそも和紙とは、一般的に「国産の」「伝統的な方法で梳かれた」紙のことです。様々な植物から取り出した繊維を原料にして作られ、独特の風合いがある紙が多いです。
大礼紙や雲竜紙などの模様のある和紙をイメージされる方も多いかもしれません。手にしたときのあたたかみや自然な雰囲気、高級感のある仕上がりが好まれています。
一方で、和紙印刷には残念ながらデメリットもあります。
ひとつはこの記事のテーマにもなっている価格の問題。近頃は機械で漉かれた比較的安価な和紙もありますが、一度にたくさん作れるわけではないので希少価値が高く、その分価格も上がってしまいます。
もうひとつは印刷適正の問題です。和紙は印刷が確立する前からの伝統的な製法で作られるため、必ずしも現代の印刷技術に適応した紙というわけではありません。 印刷会社によっては取り扱いを避けるほどその印刷方法は難しく、精細な印刷表現には適さないのです。
和紙をおすすめする場合
和紙の中でも、「耳付き」と呼ばれるやわらかな輪郭のものがあります。
和紙の「耳」は、四辺に自然とできる薄い繊維の重なりのことで、大きな判で漉いてから断裁したのではなく、名刺のサイズで手間暇をかけて1枚ずつ作られた高級紙だという証でもあり、高い人気を誇っています。
こういった和紙特有のものに惹かれる方には、少し値段は張ってしまいますが、和紙での名刺作成をおすすめしております。唯一無二の仕上がりになること間違いありません。
和紙を使用する場合、文字だけのデザインや文字+ロゴなどのシンプルなデザインが似合います。
印刷適正の問題もあるのですが、肌合いがよく見える方が和紙の持つ雰囲気を活かすことができるからです。
そのため、結果的にデザイン費が安く済むパターンも多いようですので、和紙にこだわりたい方はぜひそちらでご検討してみてはいかがでしょうか。
和紙をおすすめする場合
- どうしても「和紙」にこだわりがある方
- 耳付きの和紙名刺を作りたい方
- シンプルなデザインにして、紙に予算をかけられる方
和紙以外の紙の検討をおすすめする場合
和紙風の紙、つまり和紙の風合いを元に作られた印刷用紙を使用するメリットは、価格が抑えられることのほか、印刷により向いているという点が挙げられます。
和紙はどうしても現代的な印刷には向いていないので、色ムラができやすかったり思ったような色にならなかったりしてしまいます。 印刷の仕上がりにこだわりたい方は、和紙の使用に適していません。
和紙ではない紙の検討をおすすめする場合
- 「和紙」自体には強いこだわりがなく、価格を抑えたい方
- 「和紙のような雰囲気」「手触りがざらっとした紙」「ぬくもりを感じられる色合いの紙」をお探しの方
- 色数を多く使いたい(カラー印刷をしたい)方
- ロゴやイラストなどの細かい部分まできれいに印刷したい方
このように、必ずしも和紙を使うと「良い名刺」になるとは限らず、作りたいイメージとうまく調整していく必要があります。また、せっかくのデザインやアイデアも、予算の問題で断念してしまったら元も子もありませんよね。
予算の範囲内で理想の名刺を作れるように、和紙の雰囲気がある安い用紙の導入も検討してみましょう。
③和紙の雰囲気がある安い紙は?
では実際どのような紙が和紙に似ているのでしょうか?
名刺用紙にも様々あって、悩んでしまう方も多いと思います。当店では、実際に和風名刺におすすめの用紙を数多く取り揃えております。
見た目や手触りなど、取り入れやすい「和」の印象がある紙から、限りなく和紙に近いテクスチャーものまでさまざま。たとえば、和紙の「大礼紙」という用紙をモデルに作られた「しこくてんれい」という紙も人気です。
和紙「大礼紙」と和風用紙「しこくてんれい」の違いは?
「しこくてんれい」は、「大礼紙」という和紙をモデルに作られた高級紙で、大礼紙を模した羽のような上品な模様が特徴です。
ふたつの大きな違いは、大礼紙は「和紙」で、しこくてんれいは和紙ではないこと。
紙の原料や作り方、その特徴的な模様の現れ方が異なります。また、和紙か和風の用紙かといった違いは、印刷適性にも差が出ます。
越前和紙「大礼紙」の由来と特徴
しこくてんれい(四国典礼)のモデルになった「大礼紙(たいれいし)」は、昭和天皇即位式の「大礼の儀」にちなんで作られました。福井県越前市で漉かれる越前和紙で、鳥の子紙や雲竜紙と並んで知名度の高い、日本を代表する紙の一つです。
現代においても、大礼紙は福井県越前市でしか作られていません。これは、大礼紙という名称が「越前和紙」でしか使用できないからです。
「華」と呼ばれる細長い繊維は、楮(こうぞ)という和紙の原料の一部が由来で、この華が表面に透けて見えることで羽のような模様が現れるのです。
和風用紙「しこくてんれい」の特徴
しこくてんれいは、パルプを原料とする用紙です。「国産の和紙原料を使用した」「手漉きの」紙といった意味での「和紙」からは外れてしまう紙ではあります。
しかし、より現代の印刷技術に適した紙として開発された分、インクの乗りや発色が良好で、厚みや硬さといった点でも汎用性の高い用紙として愛されています。
和の趣を残しながら印刷の再現性にもこだわりたい。そんな方に、名刺をはじめ、挨拶状やお品書きなど、上品な印刷物を作る場面で人気の用紙です。
おもて面に凹凸感はほとんどなく、つるつる・すべすべとした滑らかな手触りです。裏面はケント紙で、表のような模様はありません。
しこくてんれいを使った名刺は、このような上品な仕上がりになります。
和紙風の印刷用紙をうまく取り入れることで、価格を抑えながらも和のイメージを保った、ワンランク上の名刺を作ることができます。
格安で和紙名刺を作る方法まとめ
和風名刺をなるべく低予算で作る方法を解説しました。
和風といっても、表現方法やイメージはさまざまです。まずはどんな意図で、どういう名刺にしたいのか、そのためには和紙が必須なのか、などを考えることから始めてみましょう。
和風名刺を低予算で作るためのポイント
- どういった目的で和紙名刺を作りたいのかを明確にする
- 「和紙」を「和風用紙」に変えられるのか検討する
- イメージに合った用紙を選ぶ
そのうえで用紙、デザインを選んでいくと、ご自身の目的やご予算にあった名刺を作成することができます。
どんな用紙を選べばいいのかわからない方はお気軽にご相談ください!
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